クリンビュー アウトドアBlog

このページでは
『クルマとキャンプ』をテーマに、ドライブがもっと楽しくなる、
もっとキャンプに出かけたくなる!ブログを随時更新していきます。

書いていただくのは、キャンプの初心者向けの情報、
キャンプ道具やキャンプ場の情報を発信し続ける人気キャンプブログ
<Hyper CAMP Creators>の佐久間亮介さん!

長年のアウトドア経験を活かした内容に期待が高まります!
それでは『クリンビュー アウトドアブログ』スタートです!

  • 佐久間 亮介

    日用品メーカーの営業マンとして働くも、キャンプをもっと広める仕事がしたいと脱サラ。日本全国の250箇所以上のキャンプ場をめぐるキャンプ旅を経て、ライターやモデル、イベントやコンテンツ企画など、キャンプにまつわる幅広い仕事を行っている。
    著書に『キャンプ職業案内』(三才ブックス)。自身が企画・デザインしたソロキャンパー向けロッジ型テント「ガレージテント」が全国のWILD-1にて発売中。

2022.10

#4 作り手の思いが見えるから欲しくなる!
キャンプギアのガレージブランドオーナー
「BALTIC AMBER」インタビュー

皆様、こんにちは。佐久間亮介と申します。日本全国をキャンプ旅し、今はキャンプにまつわる仕事だけをして生計を立てています。キャンプ職業案内という本を執筆したり、テンマクデザインとコラボしてテントを発売したりしています。
連載4回目の今回のテーマは「キャンプギア」について。ここ数年のキャンプの盛り上がりとともに、ギア好きなキャンパーに刺さる尖ったアイテムを展開する「ガレージブランド」が雨後の筍のように増えました。
今回は、視点の斬新さや所有欲の満たされるデザインなどで人気のBALTIC AMBER代表の高橋ヤン謙太さんに商品ができあがるまでのお話を伺いました。

  • BALTIC AMBER代表:高橋ヤン謙太さん
  • BALTIC AMBER代表:高橋ヤン謙太さん
    旅やキャンプを楽しくするモノをハンドメイドで生産するガレージブランドのオーナー。ブランド名は、バルト海で採れる琥珀に由来。ポーランドに住んでいた経験があり、ヤンさんが幼い頃に琥珀探しに奔走していたワクワクを再現したいという思いが込められている。自ブランドのほか、キャンプ場とのコラボギアなどの受注生産も行っている。
    https://warszawa.handcrafted.jp/

キャンプをしていると浮かんでくる、
新しいアイデア

今も昔もキャンプ好きの中には、市場にないモノや「こんなのがあったら便利なのに!」というアイテムを自ら作り出す人は少なくないです。
実際、ここ最近流行しているガレージブランドのオーナーは、こんな道具があったらいいのに!を具現化し、SNSなどを介して情報を発信してユーザーに受け入れられています。BALTIC AMBERのヤンさんもその1人。独立前は下着メーカーの会社員時代に、新規事業のカバンやアクセサリー事業の立ち上げを担当。サンプル作成などをしていたが部門が解消され、それを機に自らのブランドを立ち上げました。
ヤンさん曰く、「新商品のアイデアはキャンプをしている最中に浮かんでくるんです。実際にフィールドに出て、自分が欲しいと思ったものを作る。想像で『こういうの作ったら売れそうだな』って作った商品は、販売が伸びにくいんです」

アイデアの源泉はフィールドにあって、キャンプをしながらだからこそ、キャンパーの心に響くようなアイデアが浮かんでくる。これはガレージブランドのオーナーに限らず、僕のようなキャンプイベントの企画や記事のネタを探している人やショップのスタッフなど、キャンプに関わる仕事をしている人にとって全員に言えることです。そして、変に狙ったモノや記事、コンテンツが思ったほどキャンパーにウケないのもまた同じです。不思議なんですが、狙わずに熱量のままに作ったコンテンツのほうが響く気がします。

ガレージブランドの場合は、どうやって商品化していくのか道筋を見つけ、場合によっては自らの手で生産するのだから大変な仕事です。大手のメーカーであれば、企画をする人がいて、デザインを考える人がいて、作る人(工場)がいて、プロモーションする人がいます。ガレージブランドはそれを少人数でやります。
でも、商品化までの道筋などがSNSでの発信などを通して見えるからこそ、そのブランドの商品が欲しくなったりもします。ガレージブランドは、まさにSNSの時代を象徴するような存在なのかもしれません。
自らキャンプをしてアイデアが湧いてきて、それを具現化しキャンパーの元へ届ける。キャンプ好きな人からすれば、夢のような仕事と思うかもしれませんね(もちろん現実はやることがたくさんあるので、大変なのですが・・・)。

ありそうでなかった!
ヒット商品の【シェラカップケース】

BALTIC AMBERのヒット商品のひとつ、キャンプの定番ギアであるシェラカップを収納する【シェラカップケース】をご紹介します。
このアイテムをみたときの僕の印象は、ありそうでなかった!なんで今まで誰も商品化してこなかったのか不思議に思うほど便利なギアだなぁという感じでした。ここに目をつけたヤンさんの視点と、細部へのこだわりが随所に見られる素晴らしいギアです。

「シェラカップって登山用のギアっぽい印象だったんです。でも、それをみんなキャンプで使っている。登山用のザックに引っかけるにしろ、ギアを収納するボックスの中に片付けるにしろ、むき出しのままだと衛生面で気になったのと、引っ掛けたときにガチャガチャと音がなるのが気になりました。それを解消しようとしたら、この商品ができあがっていきました」
そうしてできあがったシェラカップケースは、アップデートを繰り返します。シェラカップを収納するだけにとどまらず、蓋の部分にカトラリーが収納できたり、カラビナをつけることで拡張できるような形へと進化。このアップデートもBALTIC AMBERならでは。他ブランドとのコラボも実現するなどをしていたところ、大手アウトドアメーカーや100円均一ショップで同じようなアイテムが登場してきました。

「自分で縫っているので大手のように大量生産はできないんです。ただ、その分小回りがきくので、あまり流通していない珍しい生地で生産することもたまにあります。そういう形で作っているので所有欲ではうちが一番だと思ってます」
アイデアを真似されても、自分のところが一番だと言えるほどのものを世に出し続けて、他と比べられても頭ひとつ抜け出せるようにする。そこもガレージブランドが生きるためのポイントのような気がします。

BALTIC AMBERの商品の一部。シェラカップケースのほかにもラインナップが豊富。

欲しいものを作って共感を集める

「他メーカーで買わず、なぜ、あえてBALTIC AMBERのギアを買うのかを常に考えてます。いま、売っていない商品で、かつ、自分がおもしろいって思うものを突き詰めていくと他のメーカーと差別化ができます。どういう形状にするのか、どんな機能をつけるのか、悩みに悩み抜く。頭の中でまるでパズルがハマるかのような気持ちよさが出てから、ようやく手を動かして作り始めます」
そこまで悩み抜くからこそ、BALTIC AMBERの商品は他のブランドのものとは一風変わったデザインや機能を持っていて、どうしても欲しくなりついつい買ってしまう。

最近だと、僕はキャンプで温泉に出かける際に便利な「そのまま洗えるON-SENトート」を購入しました。着替えとお風呂グッズを入れるのにちょうどいいサイズでありながら、その名のとおりそのまま洗濯機に入れられるため、洗濯ネットの役割も果たすアイテムです。
ヤンさんが上述したように、まさにあまり売ってなかった商品で、かつ発想もおもしろい。そして、持ち運んでいるときにいい感じに目立つクールなデザインで所有欲が満たされます。
値段だけを見れば、国外で大量生産された商品のほうが安いでしょう。でも、安いだけが基準で自分の日常を決めていいのでしょうか。作り手の思いが見えるアイテムを揃えていくと、自分の人生が豊かになるように思います。

クルマも人生を豊かにするアイテムの一つ

オートキャンプではクルマは欠かせません。キャンプ道具を積み込み、自由自在に好きなところへと自分を運んでくれるクルマのことを、一番のキャンプ道具だという人も少なくない。こだわりの愛車だからこそ、キャンプ後の手入れもしっかりとやっておきたいところ。
「e-Body ニュースーパーシャイン」を使えば、キャンプ後の汚れたクルマでもあっという間にガラスのような光沢感が得られます。使い方は、洗車したあとの濡れたボディにスプレーを噴射し、乾いたタオルで拭き取るだけ。
キャンプで自然に触れリラックスをして、帰り道でクルマも洗ってスッキリ。自宅に帰るころには次のキャンプではどこへ行こうかと考えてしまうのがキャンパーの性。ギアもクルマもしっかりと手入れをして、愛着をもって長く使っていきたいですね。

画像提供、取材協力:高橋ヤン謙太
BALTIC AMBER オンラインショップ
https://warszawa.handcrafted.jp/

制作工程などを発信されている
ヤンさんのInstagramは下記。
@balticamberjan
https://www.instagram.com/balticamberjan/?hl=ja