クリンビュー アウトドアBlog

このページでは
『クルマとキャンプ』をテーマに、ドライブがもっと楽しくなる、
もっとキャンプに出かけたくなる!ブログを随時更新していきます。

書いていただくのは、キャンプの初心者向けの情報、
キャンプ道具やキャンプ場の情報を発信し続ける人気キャンプブログ
<Hyper CAMP Creators>の佐久間亮介さん!

長年のアウトドア経験を活かした内容に期待が高まります!
それでは『クリンビュー アウトドアブログ』スタートです!

  • 佐久間 亮介

    日用品メーカーの営業マンとして働くも、キャンプをもっと広める仕事がしたいと脱サラ。日本全国の250箇所以上のキャンプ場をめぐるキャンプ旅を経て、ライターやモデル、イベントやコンテンツ企画など、キャンプにまつわる幅広い仕事を行っている。
    著書に『キャンプ職業案内』(三才ブックス)。自身が企画・デザインしたソロキャンパー向けロッジ型テント「ガレージテント」が全国のWILD-1にて発売中。

2022.9

#3 行動範囲が一気に広がる!
車中泊でのクルマ旅&
キャンプのすすめ

皆様、こんにちは。佐久間亮介と申します。日本全国をキャンプで旅し、今はキャンプにまつわる仕事だけをして生計を立てています。キャンプ職業案内という本を執筆したり、テンマクデザインとコラボしてテントを発売したりしています。
連載3回目の今回は、最近流行の兆しのある「車中泊」についてご紹介していきます。
車中泊のメリットは、ズバリ「行動範囲が広がる」こと。テントの代わりに車で寝るため、テントの設営撤収の手間がなくなり、その分時間に余裕が生まれます。
車中泊の魅力やメリット・デメリットなど、クルマ旅の専門家の稲垣朝則さんに伺ってきました!

クルマ旅の専門家:稲垣朝則さん
日本全国を車中泊しながら旅をする、クルマ旅の専門家。車中泊雑誌での連載のほか、車中泊ドラマの監修などを行う。著書:「ミニバン車中泊バイブル」、「車中泊の作法」ほか多数あり。

テントの代わりに車内で睡眠

キャンプブームが到来し、キャンプをする人が増えた昨今。そのブームも少し落ち着きを見せつつも、キャンプにプラスしてアウトドアアクティビティを楽しむ人が増えたり、宿泊手段をテントではなくクルマにする人が増えてきたり。キャンプブームのその先へと進んでいる印象があります。
キャンパーの皆さんもキャンプ場でキャンピングカーを見かけたこともあるのではないでしょうか?
車中泊のメリットはたくさんあると教えてくれたのは、クルマ旅の専門家の稲垣朝則さん。アウトドア歴は30年以上、年間の車中泊日数は100日近くにもなる、正真正銘の車中泊の専門家です。

  1. 1. テント泊のように天候に左右されにくく、雨でもクルマの中である程度快適に過ごすことができる。
  2. 2. テントの設営・撤収の煩わしさがない。
  3. 3. 凸凹のある地面やアスファルトの上でも快適に眠れる。
  4. 4. 鍵がかけられるので、テント泊よりも安全

などが挙げられます。キャンパーとしては、天候やロケーションに左右されにくいところや、テントの設営・撤収の時間を削ることができる点はとても魅力的なのではないでしょうか。

車中泊という選択肢が増えることで
行動範囲が広がる

自然豊かなキャンプ場へ行ってテントを張り、焚き火をしながらのんびりと過ごすキャンプももちろん楽しいけれど、車中泊キャンプではまた違った楽しさがあります。
「家族で北海道を旅する手段として車中泊を始めた」と話す稲垣さん。もともと家族でキャンプを楽しんではいたものの、長期旅行の際に毎日テントを設営し、撤収するのは家族での旅の手段としては非効率的であると考えました。
「キャンプ場を利用することもあるけれど、クルマで寝られるようになるとサービスエリアや道の駅、あるいはコインパーキングで車中泊することも選択肢に入ってくる。そうするとキャンプ場のチェックイン・アウトの時間に縛られることがなくなり、行動範囲が広がります。街中で車中泊をして、上の写真のように夜のコンテンツまで楽しめるようになるのもテントキャンプとの違いですね」

クルマが寝床になることで、より自由度が増し、宿泊場所の選択肢が増えることで行動範囲が広がるのが車中泊の大きなメリットのひとつ。
「キャンプを始めたのは、子どもたちに自然体験をさせてあげたいと思ったのがきっかけでした。それから車中泊をするようになり、より豊かな自然を子どもたちに見せようと思ったら、今までいけてなかった地域へ行くなど行動範囲を広げざるを得ない。車中泊であれば宿泊場所の自由度が高くなり、フィールドの近いところで休むことができるのです」

車中泊を始めやすいのは
乗用車タイプ

では、車中泊を始めるにあたり、どんなクルマが適しているのか気になるところ。乗用車タイプで後席がフラットになればいいのか、それともキャンピングカー仕様のクルマがいいのか悩ましいところです。
「Hondaのフリードのように荷室と後席がほとんどフラットになるようなクルマであれば、テント泊よりも快適に眠れるうえ、走行性能も高く日常+αで使いやすい。

一方、バンタイプのキャンピングカーなどは、乗用車に比べると乗り心地は劣ってしまうのは事実です。しかしながら、キャンピングカー仕様になっているクルマは主に電気系統が優れていて、車内で電子レンジや冷蔵冷凍庫が使えたり、寒い日にはエンジンを切ってもFFヒーターを使うことができるなど、メリットもあります」
より本格的に車中泊をしながら旅をしようとするならば、キャンピングカーの購入を検討。まずは気軽に車中泊を楽しみたいのであれば、後席がフラットになりやすいタイプの車両を選ぶのがいいでしょう。キャンパーであれば、フラットになった後席にキャンプ用のマットと寝袋を使ってすぐに就寝スペースを作り出すことができます。

ちなみに、稲垣さんおすすめの車両は、稲垣さんご自身も乗っていらっしゃるトヨタのハイエース。サブバッテリーを積載するなどキャンピングカー仕様でありながら8ナンバー登録が可能で、車検は乗用車と同じサイクル。費用的なメリットも享受しやすいそうです。

車中泊のNG行為

「車中泊キャンプ」がメディアでとりあげられるようになってきていますが、改めて車中泊のマナーやルールについておさらいしておきましょう。
よく問題になるのが、道の駅などでの車中泊+キャンプ行為によるルール違反。道の駅では仮眠休憩をすることは可能ですが、チェアやテーブルを広げるなどのキャンプ行為は禁止されているところがほとんどです。キャンプをしたければキャンプ場に行く。この線引きをしっかりとしましょう。また、同じ駐車場に何日も滞在し、駐車スポットを専有するなどもNG行為です。気をつけましょう。
キャンプ場における車中泊でも気をつけるべきポイントがあります。車内で過ごしていると気づきにくくなってしまうのか、大声で騒ぐことで他のキャンパーに迷惑をかけてしまう、消灯時間のあとも車内のライトが煌々と光っているなど、キャンプ場のルールに反した行為は禁止です。夜間や早朝のドアの開閉も場内に響きやすいので、なるべく音のでないように配慮するように心がけましょう。

車中泊だからこそできる、
本当のdiscover JAPAN!

日本全国を何度も縦断・横断してきた稲垣さんに、日本を車中泊で旅する魅力を聞いてみました。
「箱庭のような日本といわれますが、実際に自分の足で全国各地を旅してみると、地域によって気候や風土、さらにそれらを運命共同体として受け入れることで培われてきた歴史や慣習は、多種多様であると同時に地域固有のもので、日本が単純に距離や面積では測れない国であることを実感します。
本当の意味でのディスカバー・ジャパンとは、それを自分流に確かめてみること。興味の公約数からプランニングされるツアーに参加しても、満足に至ることは難しいです。」

さらにシニア層にとっては、自分のペースで旅を楽しむことができる点も大きな魅力といえます。極端にいえば、旅の始まりの日と終わりの日だけ決めれば、その間にどこへ行き、どこへ泊まって、何を食べるかは自分次第。ときには宿に泊まってのんびりするのもOKだし、自炊に疲れてしまったりしたときには食事を外食で済ませるなど、その自由度は想像以上に高いものです。

いっぽう既にネイチャーフォトや登山などのアウトドアコンテンツを楽しんでいる現役世代のキャンパーが、次に夢見るものといえば「遠征」です。宿泊手段に車中泊を組み合わせると、普段の週末でも金曜日の夜から月曜の早朝までの時間が趣味に使えるようになり、首都圏在住者でも甲信越はもとより、北陸や東北地方のフィールドまで足を伸ばすことが可能になり、旬の時期に連休がなくてもチャレンジでき、さらに連続休暇を利用すれば憧れの北海道も射程距離に入ってきます。
車中泊は夢を実現できる有効な旅行手段で、稲垣さんの著書の帯には「車中泊なら、やりたいことが今よりもっと楽しめる」と記されています。

車内で過ごす時間の長い車中泊では
「車内どこでも清潔クリーナー」がおすすめ

車中泊の旅では、車内で食事や就寝をするため、車内で過ごす時間が長い。そんなときに便利なのが、「車内どこでも清潔クリーナー」です。ダッシュボードやシートなど、自動車の室内全般のクリーナーとして使えるこのアイテムですが、車中泊時ではテーブルを拭いたり、冷蔵庫の中を掃除したりするのにもおすすめ。アルコール配合なので除菌も可能で、消臭効果もあります。
ぜひ、クルマに一本常備しておきましょう!

画像提供、取材協力:稲垣朝則
https://kurumatabi.net/